この年5月、米国陸軍航空隊のジョン・マクレディ中尉は、フォッカーT2型輸送機による北米大陸無着陸横断飛行に成功。彼は、飛行中の強烈な太陽光線による視力の消耗、頭痛や吐き気に悩まされた経験からパイロットの目を保護するサングラスをボシュロム社に依頼しました。これを受けて、ボシュロム社では幅広い分野から優秀な技術者を動員し、6年もの長期にわたって徹底研究した結果、紫外線を99%、赤外線を96%カットという世界初の光学的裏付けを持つレンズ、”レイバングリーン”が完成しました。今日でも定評のあるこのレンズは当時の米国政府規格を大幅に上回る画期的な機能を備え、1930年「アビエーター・モデル」と称されたサングラスは米空軍に正式採用されました。
この年、ボシュロム社は、二つの重要なステップをとりました。その第一は、「光を遮る」という意味を込めた「Ray−Ban」ブランドを誕生させたこと。以後50余年を経て、この名はサングラスの代名詞となりました。第二のステップは、優れた光学レンズとティアドロップ型のフレームからなるサングラス「クラシックメタル」を市場導入したこと。このスタイルは、後に、レイバンのベストセラーとなり、サングラスの模範的スタイルとなりました。機能に重点を置いたレイバンサングラスは、以後実用的なプロフェッショナル・アイテムとして定着。パイロットのみならず、ハンター、ヨットマン、フィッシャーマン、ドライバー、警察官などのあいだで、急速に普及していきました。
アメリカの市民生活にもようやく余裕が出始めたこの年、ボシュロム社は、新製品「ウェイファーラー」を発売。クラシックでシンプルなデザインとカラー、丈夫な構造、優れた装着感などを持つこのサングラスは、40年間の長きにわたって、着実な販売実績を維持してきました。そして1956年、レイバンのマーケティングに大きな転機が訪れました。サングラスをファッションやアクセサリーとする風潮が目覚めたのです。これをとらえたボシュロム社では、レイバンの製品ラインを大幅に拡大し、毎年多数の新製品を導入するようになりました。これらのサングラスは、従来の機能重視のサングラスにファッション性も加味して開発されたため、フレームのデザインや飾りカラーにおいて、画期的なものでした。
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